皆さま、こんにちは。光明稲荷神社 神職 髙野みどりです。
令和七年度(2025.6.30) 「夏越大祓式、人形・茅の輪くぐりの儀」を無事、斎行させて戴きました。今日はそのご報告です。
不安定なお天気が続く日々でしたが、本日は良いお天気となりました。まだ、六月というのに30度を越す暑さの中ではありますが、東京神奈川を始め遠方から崇敬者様方がお越しいただきました。皆さま、誠にありがとうございました。
誠心誠意、生きとし生けるもの達全ての幸せの為、半年に一度の大行事である夏越大祓式。皆さまの稲荷大神様に対する畏敬の念と感謝のお気持ちが溢れる中、この度も皆さまと共に清々しい神事をさせて戴くことが出来ました。
式にご参列された皆さまを始め、残念ながら式に御参列できない方々より大神様にご奉納の品々、初穂料をご奉納戴きました。誠にありがとうございました。
●人形神事
切麻の祓い
修祓させて戴いた清らかなる切麻にて皆さまを清め祓いました。

大祓詞宣読
大祓詞を皆様の前にて宣読いたしまして、皆さまと又、周囲に漂い浮遊している邪気にも清祓いの神髄、神々の御意思を伝え言い聞かせるべく大祓詞を宣読(せんどく)し、清め祓いをさせて戴きました。

●茅の輪くぐりの儀
この「茅の輪くぐり」は、茅でつくられた大きな輪をくぐる事で半年間に知らず知らずに起こした罪穢れを祓い、疫病退散、無病息災、心身無事を祈願する神事です。この神事は日本神話「蘇民将来」と「茅の輪」にまつわる伝説に由来していて日本各地の神社で執り行われています。

「蘇民将来」と「茅の輪」にまつわる伝説
昔、スサノオノミコト(武塔神)が旅の途中、貧しい蘇民将来と裕福な弟の巨旦将来の家を訪ね一夜、泊めてほしいと懇願します。巨旦将来は、その時のスサノオノミコトがみすぼらしい汚い姿だったため卑しい者として見て断りました。
しかし、蘇民将来は快く宿として貸してスサノオノミコトの為に出来る限りのもてなしをしました。そして発つ時、スサノオノミコトは蘇民将来に「もし疫病が流行ることがあれば、この茅の輪を腰につけていなさい」と教えました。
その言葉を素直に信じた蘇民将来はその後、疫病が流行した時、スサノオノミコトの言葉通り茅の輪を腰につけました。そして、蘇民将来の一族は何事の災いも無く茅の輪のおかけで助かったという伝説があります。
この伝説から、茅の輪は疫病除け、厄除けの力を持つとしんじられるようになり多くの神社で夏越大祓の時期に茅の輪神事が執り行われるようになりました。
まさに、「信じる者は救われる」ですね!!いつも稲荷大神様もおっしゃっておられます。「素直であること。信じることが一番、大事」と。つまりこれは、稲荷大神様に限らず、神々が「正しき人の道、人間とはこうあるべき」とおっしゃっておられるのです。
さて、当、光明稲荷神社はとてもささやかな神殿でございます。しかしながら、当社の茅の輪は、茅が生息している場所を司られていらっしゃる龍神さまよりご許可を戴き、清祓いさせて戴くその御力を稲荷大神様と共に戴いた茅でイナリダイジが精魂込めて作り上げた立派なエネルギー溢れる茅の輪です。清らかな川と青々とした茅の香りがいたします。
髙野みどり宮司の後に続き、皆さまに「祓い給ひ、清め給へ、守り給へ 幸へ給へ」と唱えながら左、右、左とくぐって戴き神前に進みます。
無事に皆さま、茅の輪くぐりの儀を滞りなく終えることが出来ました。
神前での大祓式終了後の直会に皆様にご用意させて戴いた仕出し弁当屋さんの女性がお弁当を届けてくださったときに、茅の輪を見上げて「素晴らしい茅の輪ですね!! くぐらせていただいてもよろしいでしょうか?」とのお言葉を戴きました。「どうぞ、ぜひ、くぐってください!!」(*^-^*)初めてお逢いする方であろうとなかろうと、大神様の御力、何か感じるものがあられたことと思います。誠に誠に嬉しきことです。
さて、本日、ご参列を希望されておられました崇敬者様からご連絡がありました。どうしても、精密検査で式の時間に間に合わないとのこと。とても残念です。しかし、翌日に改めてご連絡があり、「ぜひとも茅の輪をくぐらせて戴きたい」とのこと。お忙しいお仕事の合間をぬってを車を飛ばしてお越しいただきました。「くぐることが出来て安心しました!!」そう、仰って笑顔でお帰り戴きました。くぐって戴けたこと、そして、とても喜んで戴けた事は私ども、心から光栄に本当に嬉しく存じます。誠にありがとうございました。
秋に手術をされるとのこと。無事に手術成功され元の元気な身体に立ち返ることができますようにと、稲荷大神様、龍神さまにご祈念させて戴きました。
多くの皆さまに大神様の茅の輪、くぐっていただくことができました。
『大神様の素晴らしい御力、皆さま全てに戴きて、幸あれ!!』
●夏越大祓式
茅の輪くぐりの儀を済ませて、そのままご神殿に向かい大祓式を斎行させて戴きました。神前拝礼から修祓、と順次、式次第は滞りなく進みました。

【式次第】
神前拝礼 修祓 献燈 鎮魂 開式報告の儀(降神の儀) 献饌
大祓詞奏上 祝詞奏上 ご神託 玉串奉奠 撤饌
閉式報告の儀(昇神の儀) 鎮魂 消燈 神前拝礼


ご神託
この度は畏れ多くも佐田彦大神様がお出ましになられまして、ご神託を賜りました。詳しい内容はイナリダイジのメルマガにてお話しさせて戴きます。



●直会(なおらい)
直会(なおらい)とは、神事の後、稲荷大神様にご奉納した神饌のお下がりを皆様で戴く「神人共食」の意味がございます。お下がりを戴くことで大神様の御力を戴くことができます。神前拝礼に始まる式から直会までが神事となります。本来の直会では神饌のお下がりとしてご神酒などお上げした供物を下げて食するのですが、この度は稲荷大神様にご奉納したご神饌(塩、乾物)また、お一人一人の為にそれぞれに御祈願させて戴いた御守り、茅の輪守りを皆さまにお渡しさせて戴きました。また、別途にご用意させて戴いた簡単なお食事を直会としてお出して皆さまでこの度の神事についての事、特に佐田彦大神様からのご神託、茅の輪のことや近況など楽しいお時間を共有させて戴きました。

●人形流しの儀
皆さまから所作をして戴きました形代(人形、動物形)を、稲荷大神様、祓戸四柱の神々様にご祈願し海に繋がる清らかな川にて流させて戴きました。無事に皆さまの形代を流すことが出来ました。

光明稲荷神社令和七年度夏越大祓式、無事に滞りなく終了させて戴きました。
今年、残りの半年も稲荷大神様の御力戴き御加護の元、皆さまと生きとし生けるもの達全てが笑み溢れる元気な年となられる事と存じます。誠にありがとうございました。