伏見稲荷大社 主祭神・宇迦之御魂大神様とはどのような神様か
伏見稲荷大社 主祭神・宇迦之御魂大神様とはどのような神様か
皆さま、こんにちは。
光明稲荷神社 宮司の髙野みどりです。
ささやかな御神殿ではございますが、伏見稲荷大社より稲荷大神様のご分霊をお迎えし、日々ご奉仕をさせていただいております。
未熟な点も多くございますが、随神の道を歩みながら、学びと精進を重ねております。
どうぞよろしくお願いいたします。
本記事では、私の守護神様でもあられる**伏見稲荷大社の主祭神・宇迦之御魂大神様(うかのみたまのおおかみさま)**について、
**「その①:大神様の系譜と御神名の由来」**をテーマに、できる限り分かりやすく、丁寧にお話ししてまいります。
宇迦之御魂大神様=「お稲荷さま」とは
宇迦之御魂大神様は、一般に親しみを込めて**「お稲荷さま」**と呼ばれている神様です。
全国各地の稲荷神社でお祀りされており、御神名の表記や読み方にはさまざまな違いがありますが、いずれも稲荷大神様である点に変わりはありません。

五穀豊穣と商売繁盛の神様
宇迦之御魂大神様は、
- 稲魂(いなたま)の神
- 五穀豊穣の神
- 商売繁盛・家内安全・開運招福の神
として広く信仰されています。
もともと日本は稲作を中心とした農耕民族の国でした。
そのため、稲=命を支える根源的な存在であり、その稲を司る神様は、生活そのものを守る最重要の神様だったのです。
なぜ「商売繁盛の神様」として広まったの

農耕信仰から町人信仰へ
古代から中世にかけて、人々の祈りは主に「豊作」でした。
しかし江戸時代に入ると商業が発展し、商人の力が強くなっていきます。
その流れの中で、
- 豊作を願う祈り
- 生活が潤うことを願う祈り
- 商売が繁盛することを願う祈り
へと、信仰の形が少しずつ変化していきました。
身近な神様としての「お稲荷さま」
江戸の町では、
- 屋敷神
- 鎮守神
- 寺社の境内神
- 路地裏の小さなお社
として稲荷大神様が数多く祀られるようになり、庶民にとって最も身近な神様となっていきます。
この親しみやすさが、「商売繁盛の神様」として全国に広がった大きな理由の一つです。
宇迦之御魂大神様の系譜(古事記の記述)
須佐之男命の御子神
『古事記』によると、宇迦之御魂大神様は、
- 須佐之男命(すさのおのみこと)
- 神大市比売命(かむおおいちひめのみこと)
の御子神としてお生まれになったと記されています。
同じ両親を持つ兄神に、**大年神(おおとしのかみ)**がおられます。
「年(とし)」と「稲」の深い関係
大年神の「年」という字は、稲の実りを意味するとされています。
また、「宇迦(うか)」という言葉も、稲を中心とした食物を表す語と考えられています。
このことからも、宇迦之御魂大神様が稲作と深く結びついた神様であることが分かります。
天照大御神様との関係
須佐之男命は、天照大御神様の弟神です。
つまり、宇迦之御魂大神様は天照大御神様の姪(または甥)神にあたる、非常に由緒正しい神様なのです。
日本書紀に見る別伝
『日本書紀』では、異なる系譜も伝えられています。
伊弉諾尊・伊弉冉尊の御子神
ある一書には、
伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉冉尊(いざなみのみこと)が、
飢え疲れた時に**倉稲魂命(うかのみたまのみこと)**を生んだ、という記述があります。
「倉」の字が示す意味
- 倉稲魂命の「倉」
- 稲を納める倉
- 倉に祀られる稲魂の神
このことから、収穫された稲そのものを神として祀っていた古代信仰が浮かび上がります。
御神名に隠された意味と諸
「ウカノミタマ」という言葉の由来
「ウカノミタマ」という言葉については諸説あります。
伏見稲荷大社に関する研究では、
- 稲に対する信仰から生まれた言葉
- 後世に神々の整理統合が進む中で形成された観念
と考えられています。
御神名の成立には、明確に断定できない部分も多く、そこに神名研究の奥深さがあります。
他の稲・食物神との関係
宇迦之御魂大神様と同じく、
- 食物
- 穀物
- 命を支える恵み
を司る神様は、他にも数多く存在します。
「ウカ」「ウケ」「ケ」を含む神様
- 保食神
- 大気都比売神
- 豊受大御神
- 若宇加能売命
これらの神様はいずれも、日本人の暮らしと命を支えてきた神々です。
まとめ|宇迦之御魂大神様は日本人の根源を守る神様

さまざまな伝承や見解はありますが、共通して言えることは、
- 宇迦之御魂大神様は正神界の由緒正しい神様であること
- 日本人にとって最も大切な「稲」を司る神様であること
- 五穀豊穣を通じて、人々の生活そのものを守ってこられた神様であることです。
本記事が、宇迦之御魂大神様をより深く知っていただくための一助となれば幸いです。
今後もさらに学びを深め、また別の視点からもお話ししていきたいと思います。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
