茅の輪神事・茅刈取報告祭 2025.6.24 光明稲荷神社

皆さま、こんにちは。光明稲荷神社、神職、髙野みどりです。
2025.6.24、茅の輪神事・茅刈取報告祭執り行わせて戴きました。

私共、光明稲荷神社では毎年、夏越大祓式には沢山の茅(かや)を束ねて大きな輪を作った『茅の輪(ちのわ)』をくぐることで無病息災をご祈願する『茅の輪くぐり』の神事をさせて頂いております。この茅の輪の材料となる茅ですが、通常は違う山の茅を刈り取らせて戴いておりました。けれども、この度からは是非とも龍神さまのお鎮まりになっている清らかなる御山、滝の茅を使わせて戴こうという事になりました。

龍神さまがお鎮まりになられている御山の清らかな川に自生する茅です。お許しを得ずに勝手に刈り取ることは失礼にあたります。私どもは稲荷大神様の使いのものでございます。龍神様に対して失礼勝手な事をすれば稲荷大神様のお顔を潰すことにもなります。そんなことは決して断じて、してはなりません。

この事は最優先すべきことですので、その茅を刈り取らせて戴く前に、まずは、茅が自生している場所を司っておられます龍神様に茅を刈り取る許可を戴く神事をさせて戴きました。

「単に山に生えている茅じゃないの?言わば雑草みたいなものでしょ。誰も見ていないし、別にいいんじゃない?単に茅で作った輪っかだし、飾りものでしょ?清祓い?人形を持って潜るだけで、そんな効果なんてあるのかな?」

私共は決してそのようには考えてはおりません。見えない存在の御力、自然におわします神様の御力を信じています。守られている事を信じております。だからこそ、今まで全ての神様に感謝と畏敬の念を持ってあらゆる神事を誠心誠意、感謝を込めて丁寧に執り行わさせてまいりました。

今回も、単に茅を刈り取る行為というだけではなく、龍神さまのお鎮まりになられている山、川に龍神さまのエネルギーを戴いて生きている茅を刈り取らせていただくのです。大事な茅の命をいただくのです。礼節を以て龍神さまの御許可を戴くのは当然な事です。

私たちは感謝と共に川におわします龍神さまにご挨拶。

立礼で大祓詞を唱え始めた時、大祓詞を奏上する声が川や山に吸い込まれてとても息苦しいような感じでした。4人ほどの黒い影が私の目の前を通り抜けました。この場所近くで命を絶たれた地縛霊でした。彼らは私の大祓詞を聞きながらスーっと消え去っていきました。

けれども、しばらくすると解放的な感じになり始めました。その後、龍神祝詞を奏上しました時には安定が満ち溢れ、安堵感に満たされていきました。大祓詞、龍神祝詞を読み上げた後、とても楽しい感じになった事はとても不思議でした。

今まで神職をさせていただいてきて、大祓詞は何百回、何千回と唱えてきて、スッキリする事や元気になる事はよくあるのですが、今回の感覚は、全く、はじめての感覚!ウキウキとするような楽しい気持ちになったんです。もしかすると龍神さまが喜びのお気持ちが私に伝わったのかもしれません。

龍神さまに、茅を刈り取らせていただく理由と御許可をいただく為、お話をし始めると、まずは座るようにと、龍神さまがおっしゃられました。そして、お話を続けさせていただきました。

光明稲荷大神に仕えております髙野みどりでございます。このたび、令和7年度夏越大祓式で茅の輪を作り設けて茅の輪くぐりの儀をいたします。そのための茅をこの龍神さまのおわします山、川にて刈り取らせていただきたいと思います。そのお許しをいただきたく存じます。

すると龍神さまから、「他の皆のために使うのだな?」 「はい」と私。「必ず使うのだな?」「はい」と私。「他のものの幸せのために使うのだな?粗末に使う事はならぬ、良いな。」

「はい必ず。大切に使わせていただきます。お約束いたします。この清らかなる川にて刈り取らせていただきました茅は、洗い清め整えて、茅の輪に使わせていただきます。よろしくお願いいたします。」

「使い終わったかやは、ここに戻すように。」「はい、かしこまりました」このようなやり取りがしばらく続きました。

龍神様は、やっと来たかと、お待ちかねであられたようでした。そして、また来るようにとおっしゃられました。夏越大祓式が終了しましたら、またご報告に参りますとお伝えしました。

無事にお許しをいただき、川に米、酒、塩をお上げして神事を終えました。

神事の後、大祓詞や龍神祝詞奏上の時に感じたこと等をイナリダイジに聞くと、私が奏上しているとき、「楽しくなってうきうきしたような感覚だった」と。私が感じたものと全く同じ感覚だったとは、本当にびっくり!しました。

また、私が大祓詞を奏上していた時、自分の声がどんどん周囲のエネルギーに吸い込まれるような気がして、今までにない感覚でした。川の音が大きいから? いいや、それとは違う。外での神事は今回が初めてではない。いつもと違う!! 声が全く小さくなって聞こえて来ないのです。こんな事は今まで無くて、正直、ちょっと焦りました。

しかし、イナリダイジにその話をしましたら私の声がよくびっくりするほどよく出ていた!と言われました。今回は、ものすごく大きな声が出ているな~!!とビックリしていたそうです。これにもびっくりしました。なんとも不思議な出来事でした。

この梅雨の時期、雨が降ったりやんだりしていたので、今日、神事をさせていただけるかと心配でしたが、気持ちの良い風も時折り吹いて無事何事もなく、終了することができました。

自宅に戻りしばらくすると急に土砂降りの雨が降ってきました。これにも、びっくりです。一瞬の出来事でした。まさに、龍神さまのお気持ちの現れかと思っております。

たとえ、人が見ていなくても、誰もいなくても、単なる草木であっても、山、川であっても必ず神様はおわします。必ずお許しを得てから何事もすべきだと改めて感じました。このたびは無事にお許しをいただけたこと、本当に安心いたしました。

これからイナリダイジが山に入り龍神さまの大切な茅を刈り取らせていただき、光明稲荷大神さまの大事な神事の茅の輪を作らせていただきます。龍神さまがおっしゃられた「大切な人たちの幸せのため」の神事です。誠心誠意、夏越大祓式、茅の輪くぐりの神事をさせて頂きます!!

最後に…
神様は見てござる!
全て お見通し。信じる者は救われる。

最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

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