皆さま、こんにちは。
光明稲荷神社の宮司 髙野みどりでございます。
私は日々、稲荷大神様のお側でご奉仕をさせていただきながら、常に中道の心を忘れぬよう努めております。
神職として歩む中では、大神様から温かなお導きをいただくこともあれば、時には厳しく戒めていただくこともございます。
先日、朝の行を修しておりました折、稲荷大神様より思いがけないお言葉を賜りました。
「みどりよ、頭の中を真っさらにせよ」
その瞬間、私は深い恥ずかしさと反省の念に包まれました。
なぜなら、その時の私の心は雑念で満ちていたからです。
神様は私たちの心をすべてご覧になっている

神道では「神は心を見る」と申します。
人は外側を取り繕うことができますが、神様の御前では心の内までも隠すことはできません。
その頃の私は、神社のこと、ご相談者様のこと、神事や修行のことなど、多くの課題を抱えておりました。
次々に浮かぶ思考と心の揺らぎ
朝夕の神事。
ご相談者様への対応。
神様のお役を務めるための学び。
行の進め方への葛藤。
さらに私生活においても様々な出来事が重なり、頭の中は常に何かを考えている状態でした。
一つのことを考えていると、また別の課題が浮かぶ。
それが終われば、さらに次の思いが湧いてくる。
まるで終わりのない波のように、思考が押し寄せていました。
無になろうとするほど苦しくなった理由

私は神前で心を静めようと努めました。
雑念を消そうとしました。
しかし、不思議なことに無になろうとするほど思考は強くなり、心は落ち着かなくなっていったのです。
自我が生み出す焦り
今振り返れば、その苦しみの根源は「自我」にありました。
早く解決したい。
何とかしなければならない。
失敗してはならない。
もっと良い方法があるのではないか。
こうした思いは責任感のように見えますが、その奥には「自分の力で何とかしよう」という執着が潜んでいました。
神様に委ねるべきところまで、自分で抱え込もうとしていたのです。
十種神宝鎮魂法の中で気付かされたこと

その後、十種神宝鎮魂法を修する中で、少しずつ心の中心軸が整い始めました。
乱れていた心が静まり、本来の自分を取り戻していく感覚がありました。
そして、ふと気付かされたのです。
「私は神様にお任せしているつもりで、本当は委ね切れていなかったのではないか」
と。
十種神宝には、人の魂を鎮め、本来の状態へと導く大切なお働きがあります。
神道セミナーでも、十種神宝が私たちの人生や魂にどのように関わるのかを詳しく学んでおりますので、ご興味のある方は下記の記事もぜひご覧ください。
★神道セミナー第37回開催リポート(対面/Zoom)
★神道セミナー第35回(稲荷の神を知る会)開催リポート
★神道セミナー第13回レポート|(稲荷の神を知る会)
「我が身を稲荷大神様にお任せする」という信仰

神道において大切なのは、自ら努力することをやめることではありません。
精一杯の努力を尽くしたうえで、その先を神様にお任せすることです。
しかし私たちは知らず知らずのうちに、
「自分が動かさなければならない」
「自分が解決しなければならない」
と思い込んでしまいます。
その時、神様への信頼よりも自我が前に出てしまうのです。
自我を手放した時に見えてくるもの

稲荷大神様のお役をさせていただく中で、何度も学ばせていただいていることがあります。
それは、
「神様のお力は、自我を手放した時にこそ届いてくる」
ということです。
私たちが心を空にし、素直な状態になった時、神様のお導きを受け取りやすくなります。
反対に、自分の考えや執着で心がいっぱいになると、そのお声は聞こえにくくなってしまいます。
だからこそ大神様は、
「頭の中を真っさらにせよ」
とお示しくださったのでしょう。
神道における心の整え方
神道では、自然の流れに逆らわず、神意に従いながら生きることを大切にいたします。
それが随神(かんながら)の道です。
空になるとは何もしないことではありません。
余計な執着を手放し、本来の自分へ戻ることです。
神道セミナーでも繰り返しお伝えしておりますが、心を整える第一歩は、自分自身の内側を静かに見つめることにあります。
一番大切なことは一番難しい

今回いただいたお言葉は、私にとって大きな学びとなりました。
自我を捨てること。
神様に委ねること。
心を空にすること。
どれも簡単なようでいて、実際には大変難しいことです。
しかしだからこそ、一生をかけて学び続ける価値があるのだと思います。
私もまだまだ修行の途中です。
稲荷大神様のお導きに感謝しながら、これからも一歩一歩、誠実に歩んでまいりたいと思います。
まとめ
稲荷大神様より賜った「頭の中を真っさらにせよ」というお言葉は、私自身への戒めであり、また現代を生きる多くの方々にも通じる教えであるように感じます。
情報が溢れ、考えることが多い時代だからこそ、一度立ち止まり、心を静めてみる。
そして、自分だけで抱え込まず、神様に委ねてみる。
その先に、今まで見えなかった道が開けることもあるのではないでしょうか。
皆さまの心にも、稲荷大神様の温かなお導きがありますよう心よりお祈り申し上げます。
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